可児川‐鳩吹山‐西可児

 

 第4-1図 可児川‐鳩吹山‐西可児コース図  (産総研シームレス地質図に加筆)

 

 

地質概説

この地域には美濃帯上麻生ユニットのチャート層(Jch),新第三紀中新世の瑞浪層群蜂屋層(N1v)と中村層(N1ss)が露出する。そのほか,第四紀の段丘堆積物(t),緩斜面堆積物(s),沖積層(a)が分布している。チャートからは三畳紀やジュラ紀の放散虫を産するが,異なる地質体とも一体となったコンプレックス形成年代はジュラ紀である。

 

観察要点

(1) 東海自然歩道上に「鬼が城景勝地」の看板がある。可児川に新第三紀瑞浪層群蜂屋層の火山礫凝灰岩や凝灰質砂岩が露出している。

(2) 蜂屋層とチャートとの境界。チャートの壁に蜂屋層がアバットで接する。チャートにはマンガン鉱山の坑口が残っている。この地には川沿いを歩くか,東海自然歩道を歩いて,川に下る小道を使う。(アバット:新期の地層が古い地層に斜交あるいはぶつかるような状態になっていること)

(3) 橋の上からチャートの層状構造を観察できる。

(4) 土田城城址の記念碑。土田城は織田信長の生母である土田御前が生まれ育った城。城跡めぐりの道が整備されつつある。

(5) 鳩吹山に向かう山道にはチャートが至るところ露出する。この地点にはマンガン鉱山の坑口を見ることができる。ただし立入禁止。

(6) 鳩吹山山頂。木曽川の流れとそのまわり広がる街並み,そして美濃山地の山並みをながめることができる。

(7) 鳩吹山から西可児に向かう山道にはチャートが露出する。

(8) 墓地の周辺にチャートが露出している。褶曲構造を観察できる。

(9) 住宅街の道路沿いに蜂屋層の凝灰質角礫岩が露出する。

(10) 国道41号線をくぐったところに新第三紀の瑞浪層群中村層の露頭がある。砂岩に斜交葉理などの堆積構造を観察できる。

(11) 中村層の泥岩が道路沿いに露出している。

(12) 火山礫凝灰岩の上に泥岩が重なっている。蜂屋層と中村層の境界である。

 

 

 蜂屋層の火山砕屑岩  コース図の(1)

 

 

 土田城址の碑  コース図の(4)

 

 

 鳩吹山山頂 コース図の(6)

 

 

 チャート コース図の(8)

 

 

 蜂屋層(火山礫凝灰岩,露頭下半部)と中村層(泥岩,上半部)の境界  コース図の(12)