御嵩‐御嵩口‐顔戸

 

8-1図 御嵩付近地質図  産総研シームレス地質図に加筆

 

 

地質概説

この地域には美濃帯上麻生ユニットのチャート層(Jch),泥岩をはさむ砂岩(Jss),白亜紀の花こう岩(gK2),新第三紀中新世の瑞浪層群中村層(N1ss),鮮新世の東海層群土岐砂礫層(N3cg)が露出する。そのほか,低地部の田畑や住宅街は第四紀の段丘堆積物(t)である。

ルートは御嵩からみたけの森と稜線を経て花フェスタ記念公園入口そばを通る。その後,顔戸か御嵩口へ向かうルートのどちらかを使う。

地質の範囲外になるが,稜線から南に向かい可児市久々利付近を経て東海自然歩道に沿い歩き,JR太多線の下切駅に向かうルートも良い。瑞浪層群中村層の露出があり,地層の基本を学べる。平坦であるが,距離が長い。

 

 

観察要点

(1) みたけの森の中の道路(林道丸山線)沿いに花こう岩が露出する。長径1-2cm程度のカリ長石斑晶が目立つ。基質は,記載岩石学的には中粒花こう閃緑岩,色指数10程度である。砂岩層に花こう岩が貫入しているのを観察できる。境界は走向N15°Eで垂直である。この境界近くの砂岩層には花こう斑岩岩脈が貫入している。

(2) 稜線近くには土岐層のれき層が分布している。

(3) 稜線に沿って歩く。れきが目立つ。土岐層である。

(4) 山道をくだりはじめると中村層の泥岩や砂岩が露出するようになる。舗装道路に出ると中村層の露出が続く。

(5) 国道475線高架下付近では中生層の砂岩が露出している。走向はN75°W,傾斜75°Sである。

(6) (5)からしばらく,中村層の泥岩や砂岩が点在する。花フェスタ記念公園入口をすぎ,道路のまがり付近に小さな神社への山道がある。道は整備されている。頂上付近一帯にチャートが露出している。我田の大岩という名称が付いている。

(7) 中村層の露出。

(8) 泥岩をはさむ砂岩が露出する。層状チャートが小規模に露出する。

 

 

花こう岩 ルート図の(1)付近

 

 

れき層 ルート図の(3)付近

 

 

チャート ルート図の(6)付近

 

 

中村層 地質図範囲外,可児市久々利付近