科学と人間社会Ⅱ
「地質で地域振興，鉱物を身近に」
概略
従来の資源や土木などを対象とした開発型地質学から，地域振興や文化事業にも地質が役割をはたすようになっている。
1.ジオパーク
2.グローバルヘリテージストーン資源
一般にとりつきにくい鉱物を，誕生石からながめてみる。
3.誕生石
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地質を通して地域を知り，それを利用して地域振興へ
1.ジオパーク Geopark
ジオパークとは，「地球・大地(ジオ：Geo)」と「公園(パーク：Park)」とを組み合わせた言葉で，「大地の公園」を意味し，地球(ジオ)を学び，丸ごと楽しむことができる場所をいいます。
大地(ジオ)の上に広がる，動植物や生態系(エコ)の中で，私たち人(ヒト)は生活し，文化や産業などを築き，歴史を育んでいる。ジオパークでは，「ジオ」「エコ」「ヒト」の3つの要素をつなげる。ジオパークの見どころとなる個々の場所を「ジオサイト」という。それは地域の魅力を伝えるもので，教育やジオツアーなどに活かし，地域の素晴らしさを知ってもらう。
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ジオパークから地域振興への概念
ジオパークの対象
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歴史，伝統，文化，産業 |
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動物，植物，生態，・・・ |
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岩石，化石，地層，地形，・・・ |
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ジオパークの活動
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ジオツーリズム，持続可能な開発 |
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教育活動 |
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保護活動 |
↓
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地域振興へ |
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日本ジオパーク
現在日本には，日本ジオパーク委員会が認定した「日本ジオパーク」が43地域ある(2020年4月現在)。その内，9地域がユネスコ世界ジオパークに認定されている。
日本のジオパーク
ユネスコ世界ジオパーク
ユネスコの定める基準に基づいて認定された高品質のジオパーク。2015年11月に，第38回ユネスコ総会においてユネスコの正式プログラムとなった。
2019年4月現在，世界41カ国，147地域にユネスコ世界ジオパークがあり，そのうち9地域が日本にある。
日本のユネスコ世界ジオパーク
洞爺湖有珠山(北海道)，糸魚川(新潟県)，山陰海岸(鳥取，兵庫，京都)，室戸(高知県)，島原半島(長崎県)，隠岐(島根県)，阿蘇(熊本県)，アポイ岳(北海道)，伊豆半島(静岡県)。
このうちのアポイ岳を例として紹介します。
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ジオパーク事例紹介
アポイ岳ジオパーク
HP: https://www.apoi-geopark.jp/geopark/
アポイ岳ジオパークの要点：
北海道日高東部のまち「様似町」には，世界でも類を見ない新鮮で多彩な“かんらん岩”から成る山々や渓谷，特殊な土壌条件などによって育まれた固有の“高山植物群落”，そして，海岸の特殊な地形が天然の良港となり“古くから交易の拠点”として栄えてきた歴史と文化があります。
あらためて場所はどこか。
様似町(さまにちょう)
北海道の中心南端の襟裳岬(えりもみさき)のそば
様似町の概要(地図参照)
この中の終着駅の項は修正が必要。
日高本線の鵡川から様似間は廃線となる(早ければ2021年4月に)。
様似駅に停車中の列車(ウィキペディアより)
様似町とアポイ岳(ウィキペディアより)
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アポイ岳ジオパークのテーマ
メインテーマ：
「地球深部からの贈りもの(かんらん岩)がつなぐ大地と自然と人々の物語」
サブテーマA:
「かんらん岩から大地の変動を知る」
1300万年前，大陸プレートの衝突で地殻の下のマントルの一部が突き上げられ，かんらん岩が現れた(アポイ岳)。
かんらん岩の復習をしてみる。
超苦鉄質岩，つまりマグネシウム(苦土)や鉄が多い岩石で，かんらん石や輝石からなる。地下深くのマントル物質と考えられる。石英や長石を通常は含まない。斜長石を含むことはあるが，その場合でも量は少ない。
参考：火成岩の分類
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超苦鉄質岩 |
苦鉄質岩 |
中間質岩 |
けい長質岩 |
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SiO2重量％ |
40 ～ 45 |
45 ～ 52 |
52 ～ 63 |
63 ～ 75 |
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火山岩 |
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玄武岩 |
安山岩 |
りゅうもん岩 |
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深成岩 |
かんらん岩 |
はんれい岩 |
せん緑岩 |
花こう岩 |
かんらん岩はSiO2が少なく，その分マグネシウムや鉄が多い。
かんらん岩(ウィキペディアより)
https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/5/58/Lherzolite_eifel.jpg
サブテーマB：
「アポイ岳の高山植物から自然環境を知る」
アポイ岳の特殊な土壌・気象・地理的環境からヒダカソウなどここにしかない固有植物が生育する。かんらん岩特有の超苦鉄質という化学組成が重要な要素である。
ヒダカソウ(ウィキペディアより)
https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/8/8b/Callianthemum_miyabeanum_%2833851104238%29.jpg
サブテーマC：
「歴史から自然と人間社会の共生を知る」
奇岩類にまつわる先住民族アイヌの多くの言い伝えが残る。地形から天然の良港として江戸時代から北前船流通の要衝として発展してきた。
北前船(ウィキペディアより)
明治末から大正期に撮影した北前船
北前船(きたまえぶね)とは，江戸時代から明治時代にかけて大阪と北国との商いを行った船。
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ジオツーリズム アポイ岳に登る
アポイ岳は日高山脈の南端付近に位置し，約1,300万年前のプレート同士の衝突によって日高山脈が形成された際に，地下数10kmにあった上部マントルが上昇露出したとされる「幌満かんらん岩体」からなる山。
この特異な地質条件と過酷な気象条件などが重なり，標高810mと低標高ながら，アポイ岳のみに生育するヒダカソウやエゾコウゾリナの固有植物など，多彩な高山植物が生育している。
立体地図(アポイ岳ジオパークウェブサイトより)
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問い1
愛知県にはまだジオパークはないが，となりの長野県には「南アルプスジオパーク」がある。
HP https://geopark.jp/geopark/m_alps/
そのジオパークのキーワードは何か。
回答例をまとめの下に記す。
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1のまとめ
ジオパークとは，「地球・大地(ジオ：Geo)」と「公園(パーク：Park)」とを組み合わせた言葉で，「大地の公園」を意味し，地球(ジオ)を学び，丸ごと楽しむことができる場所をいいます。
日本には日本ジオパークが43あり，そのうち9ジオパークがユネスコ世界ジオパークです。
問い1の回答例
中央構造線，高い山，深い谷，隕石クレーターなど
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石材文化を意識し，採石産業を持続的に
2.グローバルヘリテージストーン資源 Global Heritage Stone Resource, GHSR
グローバルヘリテージストーン資源活動とは，石材文化を意識し，採石活動を持続的に支えるものです。石の文化が根付いている欧州で盛んな活動です。グローバルヘリテージストーンとなる石材の要件は，長い(50年以上の)採掘の歴史，著名な建造物で利用，できれば広範囲(数ヶ国以上)で利用が好ましい。
・目的：
石材を人類の文化の中で意識する。
文化的遺産を後世に伝えるとともに持続的採石活動に益する。
・経緯：
欧州で熱心に進められている。理由は，欧州は石の文化で，重要な建物や記念物が石材を利用することが多いからである。建造物の修復に同じ石材を使うことが望ましいので，小規模でも石材業が続いていく。実際，この運動には，英国ストーンフォーラムなどの石材組合の協力を得てきた経緯がある。
・波及効果：
GHSRの指定を受けると，専門家集団の中で認知度が高まり，地質分野のみならず，工学，建築，建物保全の分野の専門家がその岩石の存在を意識するようになる。指定を受けることで天然の岩石資源を管理する意識が高まり，石材資源採掘を将来にわたって続けていくことにつながる。
・認定条件：
1.50年以上の採掘の歴史がある。
2.著名な建造物に使用されている。
3.広範な地域(できれば数ヶ国)で利用されている。
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事例紹介：
ウェールズ粘板岩
何世紀もの採掘実績，世界各地に輸出，バッキンガム宮殿をはじめ著名な建造物に利用，等々でグローバルヘリテージストーンに認定されている。今も規模は小さくなったが持続的に採掘されている。
地質：
ウェールズでは，カンブリア紀-オルドビス紀-シルル紀に形成された粘板岩を2000年以上にわたって開発してきた。
ウェールズ粘板岩の分布(ウィキペディアより)
https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/9/92/SlateDeposits.PNG
生産の歴史：
古くはローマ時代，建造物に利用されている。
カーナーヴォンのSegontium砦，住宅の屋根などで使われた。
13世紀，エドワード1世の城の屋根に利用。
16世紀まで，粘板岩はウェールズからアイルランドへの重要な輸出品となる。
18世紀後半から生産が伸び，最大年間26000トンとなった。
それは，水力，蒸気機関，電気エネルギーと当時の革新技術を導入したことが大きい。
19世紀には運河や鉄道の発達で英国内の工業都市に屋根材として供給された。
19世紀終わりには年間の生産が60万トンになった。
20世紀初頭の石切職人，1910年頃(ウィキペディアより)
https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/7/70/Chwareli-RZ.jpg
ペンニン石切場での合図の様子，1913年(ウィキペディアより)
https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/b/bb/Blasting.jpg
ペンニン石切場での石材搬出の様子，1913年(ウィキペディアより)
https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/8/84/LlwythoLlechi.jpg
19世紀から20世紀には世界中に輸出が拡大し，北欧，北米，南アフリカ，オーストラリア，ニュージーランドに至る。
その後，他国の低価格産品との競合でこの地域の粘板岩産業は規模が小さくなっていく。
現在はペンニンの石切場で14000トンが毎年生産され，主に屋根材に利用。
労働運動の歴史：
この業界は，労働運動でも先進的だった。
1874年，北ウェールズ石材業組合設立。
これに対して経営側は当初組合を認めなかった。しかしながら相次ぐ労働争議の後認めた。
ある地域の労働争議は，1900年から1903年にかけた英国産業界最長のストライキに発展した。
著名な建物でここの石材が使われてきた。以下に利用例を示す。
バッキンガム宮殿
https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/b/b4/Buckingham_Palace%2C_London_-_April_2009.jpg
大英図書館(ウィキペディアより)
https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/2/22/British_library_london.jpg
日本にも輸出
1980年ごろ日本のどこかのゴルフ場に納入したという(Hughes氏からの情報)。
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問2
グローバルヘリテージストーンの活動は日本では盛んではない。欧州ほど石の文化がないからかもしれない。日本でこの活動に絡めた振興策が可能だろうか。
回答例は17.2まとめの下に記す。
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2まとめ
グローバルヘリテージストーン資源活動とは，石材文化を意識し，採石活動を持続的に支えるものです。石の文化が根付いている欧州で盛んな活動です。グローバルヘリテージストーンとなる石材の要件は，長い(50年以上の)採掘の歴史，著名な建造物で利用，広範囲(数ヶ国以上)で利用です。
問い2回答例
欧州と違い，石の文化はあまりないが，それでも，明治以降の建造物には石材が使われている。墓石の文化があるし，城の石垣に歴史がある。それらの改修が必要になれば石材確保のため，小規模でも石材採掘を続けていくことが望ましい。グローバルヘリテージストーン認定となれば，話題性があり，石材産業を軸にした地域振興になるかもしれない。
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誕生石から鉱物を知る，アメシストやトパーズは鉱物では何か
鉱物を身近に知るために誕生石をとりあげてみます。
3誕生石の鉱物学 Mineralogy for birth-stones
誕生石
鉱物になじみがない方に興味を持ってもらえるように誕生石についてふれる。
いろいろの機会の話題提供になるだろう。
それぞれの誕生石について鉱物学的な説明を加える。
(以下の説明は主にウィキペディアより抜粋)
誕生石：1月から12月までの各月にちなむ宝石。自分の生まれた月の宝石を身につけるとなんらかの加護があるといわれている俗習の一種である。
概要
今日の誕生石は1912年に米国の宝石商組合で定められたものを基に，1952年に米国宝石小売商組合などによって改訂されたものが基準となっている。
誕生石の種類は国によって若干の違いがある。日本では1958年に全国宝石卸商協同組合が制定した誕生石が古く，サンゴ(3月)・ヒスイ(5月)が追加されている。
起源
旧約聖書の出エジプト記28章17 - 21節には裁きの胸当てにはめる12個の貴石の記述がある。
新約聖書中にエルサレムの城壁の土台石に飾られている宝石が記されている。米国ではこの宝石に基づいて定めたようである。
現在の各月の誕生石は次の通り。月によっては複数の誕生石がある。
1月
・ガーネット(柘榴石)
https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/5/53/GarnetCrystalUSGOV.jpg
鉱物としてのざくろ石は等軸晶系の珪酸塩鉱物。大きくアルミニウムざくろ石，クロムざくろ石，鉄ざくろ石に分けられる。種々の変成岩に普通に含まれる。花こう岩などの珪長質火成岩に含まれる。漂砂鉱床としても産する。宝石にならないざくろ石砂は研磨材に利用。
2月
・アメシスト(紫水晶)
https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/3/36/Amethyst_cut.jpg
鉱物としては石英，そのうちの紫色がかったものを特にアメシストという。紫色の原因は鉄イオンの存在と天然放射能の照射による。
3月
・アクアマリン(藍玉)
https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/1/16/Aquamarin_cut.jpg
緑柱石(ベリル)の一種。緑柱石は六方晶系柱状の鉱物でベリリウム(Be)を含む。花こう岩ペグマタイトや変成岩に産出する。アクアマリンは青色の緑柱石。
・コーラル(珊瑚)
https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/f/fc/Koral1.jpg
刺胞動物で固い骨格をなすもの。化石化して石灰岩になる。
・ブラッドストーン(血玉，血玉髄)
https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/8/87/Quarz_-_Heliotrop_%28Blutjaspis%29.JPG
玉髄(カルセドニー)の一種。玉髄は石英微結晶がち密に集合したもの。火山岩の孔隙に二次的に生じる。堆積岩のセメントとしても出現する。珪質堆積岩(チャートなど)を形成する。ブラッドストーンは濃緑色半透明の玉髄で赤い斑点を有するもの。
4月
・ダイヤモンド 金剛石
https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/6/6f/Brillanten.jpg
炭素の同素体，天然で最も硬い物質。マントル起源の火成岩，キンバーライトに含まれる。
・ロッククリスタル 水晶
https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/c/ce/Quartz_Br%C3%A9sil.jpg
石英で透明なもの。石英はごく一般的な鉱物。水晶は石英が透明で結晶の形で産するもの。花こう岩質ペグマタイトなどに産出する。
5月
・エメラルド 翠玉，緑玉
https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/b/ba/Beryl_emeralds_cut_XH.jpg
緑柱石で緑が濃いもの。
・ヒスイ(翡翠)
https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/0/00/Jadestein.jpg
ヒスイは硬玉(ヒスイ輝石)と軟玉(ネフライト，角閃石の一種)に分けられる。別の鉱物だが見た目は区別しにくい。ヒスイ輝石，低温高圧で生じた変成岩に含まれる。ネフライトはトレモラ閃石やアクチノ閃石の集合体で変成岩に産出する。
6月
・パール 真珠
https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/a/af/White_pearl_necklace.jpg
貝の体内で生成される生体鉱物。アラレ石と有機物が交互に積層して特有の輝きと色が生じる。。
・ムーンストーン 月長石
https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/1/17/Moonstone.JPG
https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/f/fe/AdulaireSuisse2.jpg
長石類の外観の美しいもの。特にサニディンまたはアノーソクレース。
・アレキサンドライト 金緑石
https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/8/85/Alexandrite_26.75ctsCropped.jpg
クリソベリル(金緑石)の変種。あたる光によって色が変わる。
7月
・ルビー 紅玉
https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/c/c4/Cut_Ruby.jpg
コランダムで赤色のもの。玄武岩や変成岩，大理石に産する。ミャンマーでは「ピジョンブラッド」(鳩の血)という最高級のルビーが産出する。
・カーネリアン 紅玉髄
https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/8/8c/Carnelian_handicrafts.jpg
玉髄(カルセドニー)で赤色や橙色のもの。網目模様がない。
8月
・ペリドット 橄欖石
https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/2/2c/Gemperidot.JPG
かんらん石でMgが多い苦土かんらん石のうち緑色を呈するもの。
・サードニック 紅縞瑪瑙
https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/4/45/Agates_varying_colours.jpg
縞状の玉髄はメノウだが，その中で縞目が紅と白のもの。
9月
・サファイア 蒼玉，青玉
https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/e/ee/Star-Saphire.jpg
青色のコランダム。
・アイオライト 菫青石
https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/4/4b/Iolite.JPG
菫青石(きんせいせき)のうち，青みを帯びた菫(すみれ)色のもの。菫青石は高温低圧の泥質の変成岩に産する。
10月
・オパール たんぱく石
https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/c/cb/OpalDoublet.jpg
オパール(たんぱく石)の化学組成はSiO2・nH2O，10％くらいまで水を含む。潜晶質。ガラス光沢・樹脂光沢をもつものが宝石となる。ケイ酸分を含んだ熱水が充填してできる。埋没した樹木がケイ酸分と交代，温泉の沈殿物としても生成する。
・トルマリン 電気石
https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/a/a1/Elbaite_Melon_d%27eau_Taill%C3%A9e.jpg
電気石はホウ素を含むのが特徴。長い柱状のことが多い。花こう岩やペグマタイト，変成岩に含まれる。
・ローズクォーツ 紅水晶
https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/1/14/Quartz_rose_GeorgiaHoggMine13.jpg
ピンクー薄紅色の水晶。ばら石英とも呼ばれる。
11月
・トパーズ 黄玉
https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/3/3e/TOPAZE9.jpg
トパーズは鉱物名でもある。鉱物のトパーズの中で淡褐色のものが宝石のトパーズとなる。
石英より少し硬いケイ酸塩鉱物。フッ素やアルミニウムを含む(Al2SiO4(F,OH)2)。花こう岩，ペグマタイト，流紋岩などに含まれる。
・シトリン 黄水晶
https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/3/32/Citrin_cut.jpg
黄色い水晶
・ゴールデンサファイア
https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/b/bc/SaphirJaune.jpg
黄色のコランダム。
12月
・ターコイズ トルコ石
https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/b/b8/Turquoise.pebble.700pix.jpg
トルコ石は青色から緑色の不透明な鉱物，水酸化銅アルミニウムリン酸塩(CuAl6(PO4)4(OH)8・4H2O))。
・ブルージルコン
https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/c/c8/ZirkonBlau.jpg
青色のジルコン。ジルコンは花こう岩や閃長岩に含まれる。量は少ない。
・タンザナイト 灰簾石
https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/2/2f/Tanzanite_taill%C3%A9e.jpg
緑れん石の変種，青-青紫色。
・ラピスラズリ 瑠璃(るり)
https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/a/a6/Lapis_lazuli_block.jpg
青金石(ラズライト)を主成分とする。
問3
誕生石のうち，鉱物では石英(水晶)であるものはどれか？
回答例をまとめの下に記す。
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まとめ
誕生石は，1月から12月までの各月にちなむ宝石。起源は聖書にあり，誕生石を身につけるとなんらかの加護があるといわれています。
問い３の回答例
アメシスト(2月)，ロッククリスタル(4月)，ローズクォーツ(10月)
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遠隔授業の場合の課題
1.2月の誕生石はアメシストである。これは鉱物名では何か。
2.11月の誕生石はトパーズである。鉱物名でもトパーズであるが，宝石になるのはどんな色のトパーズか。
3.質問や感想があれば記す。
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